スルガ銀行に対する行政処分
2018年10月5日(金)にスルガ銀行に金融庁からの行政処分が行われ、新規の投資用不動産融資停止などの重い命令が下されました。
「遅すぎる」という声もありますが、ひとまずはアパート不正融資問題は終息に向かってくれるだろうと思います。
そんな中、2018年10月7日(日)の日経新聞1面に気になる記事がありました。
個人による不動産投資ブームに陰りが出てきた。スルガ銀行による不適切融資問題などの影響で投資用不動産向け融資を得るのが難しくなったためで、物件価格は2018年に入って下落に転じた。個人の貸家業への融資残高は約23兆円にのぼり、資金の流れが逆回転するような事態に陥れば、思わぬ余波が広がる恐れがある。
2012年ごろから始まった今回の不動産投資ブームですが、
- インターネットサイトの発展(健美家、楽待など)
- 金融機関の融資スタンスの軟化
が大きな要因と考えられます。
特に「2.金融機関の融資スタンスの軟化」については問題があったと感じています。
昔は、年収 1,000万円以上、頭金2割~5割準備などの条件を満たして初めて審査してもらえるというレベルでしたが、最近では年収 500万円程度、フルローン(頭金なし)などでも余裕で融資が通ってしまったそうです。
これにより、不動産市場にシロウト同然のプレイヤーを量産してしまったのです。
すでに返済不能となっている大家もいますが、アパート需要のピークアウト&金利上昇などのリスクはこれから表面化してきます。
知識が乏しく、返済能力が低い個人の場合は、返済不能に陥るリスクが非常に高いです。不動産投資ブームの終了とともにひと波乱あるとみています。
本当のスルガショックはこれからかもしれません。
地方都市におけるアパート経営への影響
私は地方都市でアパート2棟を経営していますが、スルガ銀問題の影響はほとんどないと考えています。
むしろ、アパート融資が厳格化されて新規参入が減ってくれるため安心して経営できると思います。
すでに2017年ごろから私の地域の地銀はアパート融資に対するスタンスを厳格化したようです。
不動産屋も「今までのように融資が通らなくなった」と言っていたので、間違いないと思います。
特に
- 大家経験のない(シロウト)サラリーマン
- 自己資金なし(フルローン)
- 5,000万円以上の借入申込(大口融資)
の先に対してはほぼ融資は通らなくなったそうです。
わたしはこの流れは悪いことだとは思いません。
むしろ、異常だった不動産マーケットの正常化につながると考えています。
年収 500万円の普通のサラリーマンが1億円の借入ができるって普通に考えておかしいです(スルガ銀行は年収の20倍程度まで融資していたそうです)
アパート経営の適性がない方は近いうちに退場を迫られるはずです。
保有物件拡大のチャンス?
不動産投資情報サイトの健美家によると、1棟アパートの平均表面利回りは 8.88%(2018年8月)ですが、5年ほど前は 20%を超える物件がごろごろありました。
いまでもたまに健美家や楽待のサイトを見て物件をながめたりするのですが、現在は利回りが低すぎて欲しいと思う物件がまったくありません。
異常に高騰していた不動産マーケットが正常化すると、良質な物件が出回るようになるので保有物件を拡大するチャンスかもしれません。
しかしわたしの場合、物件の購入は融資の利用が前提ですが、借入金がまだ 1,600万円ほどあるため金融機関の融資が通らないと思います。
なかなかうまくいかないですね。
株でテンバガー(10倍株)を当てて一気に借入金完済を本気で目指してみようかと思ってしまいます。